道を歩けばコンビニが立ち並び、さらには駅構内には必ずと言っていいほどコーヒーショップが軒を連ねています。いつでもどこでも気軽に買えるホットコーヒーを、毎日欠かさず飲んでしまうという方も多いのではないでしょうか。しかしながら、冷え性の人が体を温めるためには熱々のコーヒーよりも、紅茶の方が実は効果的ということをご存知ですか?
紅茶の効能の中には冷え性対策にうってつけなものも実は存在します。今回は冷え性対策にもってこいの紅茶の淹れ方や効能に関する豆知識をご紹介します。
目次
冷え性対策には、陽の飲み物である紅茶を
日本や中国には昔から「陰陽」の考え方があり、陰の食べ物は身体を冷やし、陽の食べ物は身体を温めるという作用があります。その中で、コーヒーは陰に属し、紅茶は陽に属しています。つまり、温かい飲み物でぽかぽかと身体が温まったと感じても、
芯から温まっているのはコーヒーよりも紅茶を飲んだ時ということなのです。
さらに、紅茶にはカフェインが含まれており高い利尿作用も効能として期待できます。冷え性対策には身体の中の水分を排出することも効果的ですので、まさに紅茶は冷え性対策にはうってつけの飲み物であるといえます。夏が近付くと、オフィスやお出かけ先での冷房による「冷え症」が気になりますよね。とはいえ、陰の飲み物であるコーヒーで手っ取り早く温まるのは避けたいところ。それでは、コーヒーのように気軽に紅茶を楽しむためにはどうしたらいいでしょうか。
気軽にいつでも楽しめる、ティーバッグの上手な使い方
気軽に紅茶を楽しむためにはやっぱりティーバッグが一番!ということで、ティーバッグの茶葉のおいしい淹れ方と、ポイントを簡単にご説明いたします。ちょっと待って!ティーバッグなんて、茶葉から淹れるのと比べたら味が落ちるのでは?と思っている方も多いのではないでしょうか。実はこちらは大きな間違い。リーフタイプとの違いは茶葉の大きさにあるのです。ティーバッグのなかの茶葉は、短時間でもおいしく抽出されることを目的に、特別な製法で細かく丸めて作られています。早くて1分ほどで飲める秘密はここにあったんですね。では、ティーバッグを使っておいしい紅茶を淹れるためのステップはこちらです。
①熱々のお湯を準備し、カップに注ぐ。
②ティーバッグをそっと①の中に沈める。
③フタをして1分ほど蒸らす。
④ティーバッグを軽く降って取り出す。
以上です。とっても簡単ですよね。ポイントはティーバッグにお湯を注ぐのではなく、お湯の中にティーバッグをそっと沈め、バシャバシャとティーバッグを振らないこと。そして、フタをしてしっかりと蒸らすことです。茶葉を使って抽出する時は、「ジャンピング」といって勢いよく注ぐことがポイントとして挙げられるのですが、前出のようにティーバッグの茶葉は特別な製法で作られています。そのため「バシャバシャ」してしまうと茶葉の持つエグ味や苦みなどが出てきてしまうため、「そっと」が重要となるのです。また、フタをしてしっかりと蒸らすことで茶葉の持つうま味や成分を十分に引き出すことができるのです。ぜひ、ポイントを押さえて気軽に「冷え症に効く」おいしい紅茶を楽しんでくださいね。
ティーポットで紅茶を淹れて、リラックスしながら冷え性対策を
次に、ティーポットを使った美味しい紅茶の淹れ方を紹介します。まずは、ヤカンに新鮮な水を入れて沸騰させます。一度沸騰させたお湯は使いません。沸騰したらティーポットにお湯を少し入れます。これはティーポットを温めるためです。この一手間は大事です。それから1人につきティースプーン1杯をポットに入れ、沸騰したお湯を茶葉の上から丁寧に注ぎます。大体3分~5分浸してティーカップに入れます。そして、リラックスするための紅茶ですが、カモミールやスペアミントのミントが香る茶葉、レモンが香るものにはレモングラス、レモンバーベナ、レモンバーム、レモンミントの茶葉があります。
これらには冷え性対策以外にも、疲労を回復する力や気分をリラックスさせてくれる力、不安からくる落ち込みなどを助ける力、消化をうながす力があると言われています。それらをミックスさせてブレンドティーを作り、食後に飲めば一気にリフレッシュできるかと思います。それから美容にもよい飲み方として、レモンティーにミルクや豆乳を入れたミルクティーにするのも冷え性対策にオススメです。
最後に、冷え性対策に限らず体調が優れない朝に飲むものとして、梅干し入りのタイムをオススメします。これは、まずタイムを入れ約5分間くらい沸騰させたお湯を用意します。梅干し入りのカップに濾したタイムを注いだものです。少しずつですが体調が良くなってきます。
冷え性予防に、しょうが入りの紅茶を
しょうがには体を温め、体内をきれいにしてくれる作用と、血液の循環を良くすると効能があると言われています。朝起きて体温が低下している体にはピッタリのお茶です。大さじ1のしょうがをすりおろし、5分間くらい沸騰させます。沸騰したらセイロンを入れ約2~3分間再度沸騰させます。それからティーカップに注ぎます。最後にミルクを入れたら出来上がりです。体がポカポカと温まります。特に冬場や疲れが残っている朝に重宝します。
次に紹介するのは、しょうが入りセージティーです。セージには女性ホルモンのエストロゲンに似た作用があると言われています。女性は生理がありますからホルモンのバランスを保つためには力強い効能を発揮する紅茶です。作り方は大体上記と同じですが、しょうが入りのお湯を用意した後にセージをティーポットに入れます。それから沸騰させたお湯を入れて約5~6分間浸して濾します。冷え性の時以外にも気分や体調を整えたい時に重宝します。また冷え性以外にも、更年期にも良いとされていますから年齢に合わせて取り入れていきたい紅茶です。
これらは食べ物と同じで、同じ種類のものを長期間とるのは避けた方が良いです。様々な種類を体調を見ながら楽しむというやり方が良いかと思います。
冷え性の人におすすめ、優れた効能をもつアールグレイ
アールグレイの楽しみ方は、ストレートティーが一番だと思いますが、ミルクティーにも向いています。それからお菓子に入れるのもお勧めです。たとえば紅茶風味のケーキやゼリーなどに、このアールグレイは最適です。またこの紅茶は柑橘類との相性がいいため、オレンジをスライスしたものを浮かべたり、レモンティーにして飲むという飲み方もあります。他の紅茶同様、アールグレイもリーフをポットで淹れるのがお勧めです。まずポットを温め、その後カップも温めるようにします。
お湯を沸かす時は、ミネラルウォーターがいいとつい考えがちですが、実は水道水の方が向いています。沸騰したお湯を入れて、1分ほど蒸らし、その後カップに注ぎ分けるようにします。この時のアールグレイの色はオレンジ色をしています。香りを楽しむ紅茶なので、アールグレイだけを楽しむこともできますが、その他にクッキーなどのお菓子をつまみながら飲むと、一段とリラックスできます。
アールグレイにはティーバッグ、スティックタイプなどもありますので、場合によってはこれらを使い分けることもできます。しかしこの紅茶をのんびり楽しみたいという時は、時間をかけてリーフをポットで淹れる方法が一番です。また元々紅茶には、体にいい成分がたくさん含まれていますが、アールグレイもご多分に漏れず、腸を活性化したり、冷え症を防いでくれるなどといった効能があります。
特にアールグレイにはベルガモット、リモネンなどといった成分が含まれており、これらが様々な効能をもたらしてくれるのです。ベルガモットといえば、精油としてご存知の方も多いでしょう。この成分には抗菌作用があり、そのためうがい薬として利用することができます。このアールグレイの紅茶を薄めた液でうがいをすると、喉の調子を整えるといわれています。
またこのベルガモットは口内炎の治療に使われたこともあり、アールグレイを飲むことで、口と喉の健康を維持することができるのです。紅茶、特にリーフティーは、有名ブランドであればあるほど、それにふさわしい値段になります。しかし紅茶には、こういう体にいい成分が含まれており、アールグレイもその例に漏れません。おいしく飲むだけでなく、体にもいいアールグレイを、
一度試してみるのも悪くないでしょう。