紅茶は世界中で愛飲されている飲み物ですが、実は意外と知られていない効能が沢山ある、健康的な飲み物です。その中でも特に今回ご紹介したいのが、「高血圧を緩和する効能」です。高血圧に悩む人必見、紅茶の淹れ方や飲む上での注意点などをまとめてみました。
目次
高血圧対策に紅茶がおすすめな理由とは?
紅茶にはポリフェノールが含まれます。ポリフェノールはご存知の通り抗酸化作用が強く、身体の中のサビである活性酸素を消す役割をします。紅茶に含まれるポリフェノールの主な成分は、カテキン、タンニン、テアフラビン、アントシアニン、イソフラボンです。
これらのポリフェノールの働きで、血圧や血糖値を下げたり、過剰なコレステロールを体外へ排出します。つまり、紅茶は今の時代問題となっている生活習慣病や癌の予防にも効果があるということです。長期に亘る研究の結果をご紹介しましょう。高血圧の予備軍と診断された人に、1日3杯の紅茶を半年間飲んでもらった結果、約10%血圧が下がる効果が確認されています。紅茶に含まれるポリフェノールの実際の作用を紹介します。
カテキン
降圧剤の1種である「ACE阻害薬(血圧を上げる物質を抑制する薬)」と同様の効果が確認されています。また、血圧を上げる「アンジオテンシンⅡ」の生成を抑制するので、血圧上昇を抑える作用があります。高血圧に効果的と言われる理由の一端はカテキンにあるようです。
テアフラビン
カテキンの10倍も糖分を吸収する効果があります。高血圧と糖尿病は併発することが多いので、糖尿病のリスクを減らすことで高血圧対策にもなるのです。
紅茶を飲むことで得られる効能は幅広く、具体的には、高血圧を緩和する作用や利尿を促進する作用などが知られています。 高血圧は、自覚症状がなく静かに忍び寄ってきて、ある日突然、脳卒中や心臓病などで死に至らしめることもある病気です。普段の食生活で塩分を摂り過ぎると、血圧が上がりやすくなります。紅茶には、カテキンやテアフラビンなどのポリフェノールや、カフェインなどが多く含まれています。
ポリフェノールは、細胞を老化させる活性酸素を抑制する抗酸化作用により、体内の余分なコレステロールを排出させ、血糖値や血圧を下げるように働きます。カフェインは、血流を良好にして高血圧を改善するように働きます。 利尿作用は、体内で溢れた余剰な水分を老廃物と共に対外に排出することで、体内の水分バランスなどを良好な状態に維持します。くつろぎながら紅茶を何杯も飲むときなど、普段よりトイレが近いなと感じることがありますが、これがまさに利尿作用です。
そのおかげで、カロリーの高い食べ物を食べても健康的に過ごせるなどの効果が発揮されます。これにより、塩分(ナトリウム)などの排出も促されるため、高血圧の改善にも貢献します。
高血圧の人がやってはいけない紅茶の飲み方
紅茶には緑茶同様、適した淹れ方があります。まずカップをお湯で温めておきます。このお湯は後で捨てます。茶葉の大きさにも依りますが、一般的には1カップ(150~160cc)当たり1.5g~2gです。これは、大体ティースプーン山盛り1杯です。紅茶を煮出すお湯は沸きたての100度です。100度あれば、ポットの中で茶葉がジャンピングして美味しい紅茶が飲めます。ポットにカバーをかぶせ、紅茶が冷めるのを防ぎます。抽出時間は茶葉の種類に依って異なります。大体2~3分の間ですが、その紅茶が入っている缶や袋に書いてある時間をちゃんと守ると、香りの良い紅茶を楽しむことが出来ます。私は毎日1~3杯の紅茶を飲んできた所為か、高血圧と言われたことはありません。
紅茶の最もおススメの淹れ方は、ミネラルウォーターのような硬水ではなく軟水の水道水を、やかんなどに汲んで沸騰させます。ティーカップと、ジャンピングを促す丸型ティーポットを、沸騰し始めた湯で素早く洗い流して温めます。ここで、2杯分の茶葉約6gをティーポットに入れ、ボコボコと沸騰させた2杯分の湯約340mlを高い位置から強く注ぎ込みます。4分ほど蒸らした後、ティーカップに最後の一滴までしっかりと注ぎます。
茶葉に関しては、茶葉で高血圧への効果が変わる訳ではないので、好きな銘柄やブレンドを楽しめば良いと思います。あまり癖が無いのは、ダージリンの他、ニルギリ、アッサム、キーマン等でしょう。
ここで高血圧の人が紅茶を飲む時の注意点があります。それは、ミルクティーです。ミルクティーが好きな人は多いですが、残念ながらミルクは紅茶が持つ抗酸化作用を無効にしてしまうことがわかっています。化学反応で、紅茶の中のカテキンの効果を低下させてしまうのです。ですから、高血圧緩和の為に紅茶を飲むなら、ミルクは入れずにストレートかレモンティーで飲むようにしましょう。
健康に効果的?高血圧対策以外の効能
高血圧に対する効能など、紅茶は健康に効果的ということで最近注目されています。しかし健康効果のみならず、リラックスできるという点でも紅茶はお勧めです。茶葉だけでもいくつもの種類があり、紅茶のシャンパンとして有名なダージリン、ウバ、キーマンなど様々です。
それから紅茶のブランドも、国内外を問わず多くのブランドがありますので、どれか一つに決めてもいいし、いくつかのブランドを飲み比べてみるのもいいでしょう。デパートや専門店のみならず、最近は大手のスーパーなどでも、多くの種類を揃えるようになって来ています。もちろん紅茶に慣れた人であれば自分でブランドし、お気に入りの紅茶を作ることもできます。
また紅茶の淹れ方も、ティーバッグがいいという人もいれば、リーフティーがいいという人、あるいはお手軽にスティックタイプですませたい人など様々です。一番お勧めなのはリーフティー、つまり茶葉をポットに入れてから色と香りを出す方法ですが、ティーバッグでもポットを使うことで、カップでそのまま出すよりも、色と香りがよく出て味わい深くなることもあります。
スティックタイプは携帯用なので、外、特に勤務先などでお気に入りの一杯を飲みたいという時は、このタイプがいいでしょう。ロッカーに常備することもできますし、毎日違ったタイプの物をバッグに入れて持参する方法もあります。
高血圧だけじゃない?見逃せない紅茶の殺菌効果
紅茶には高血圧を予防する効果もありますし、脂肪の吸収率を下げてもくれます。つまり生活習慣病をある程度防いでくれるというわけです。そのほか卵巣がんの発生リスクを抑える、食後の血糖値上昇を抑えるなどといった働きもあります。また紅茶のカフェインには血管収縮作用があり、頭痛を和らげる効果もあります。
一方で、ちょっと意外に思える話ですが、紅茶でうがいをすると風邪の予防になります。よく緑茶に消毒作用があるといわれますが、この緑茶の殺菌作用であるカテキンに比べ、紅茶のカテキンは発酵を経ているぶん、より高い殺菌作用があります。また紅茶にはテアフラビンという殺菌成分も含まれていて、この両方によって口の中を殺菌するわけです。ですから風邪だけでなく、虫歯や口臭、あるいはのどの痛みにも効果があります。うがいの際は、必ず紅茶を2倍に薄めるようにしましょう。
このように薬としても使えますが、やはり紅茶の醍醐味は、ゆっくり時間をかけて味わうことといえます。ストレートで飲むダージリン、ミルクを入れるのがお勧めのウバ以外にも、お気に入りの茶葉やブランドを、自分だけのために取っておくといいでしょう。特に高級ブランドでなくても、お気に入りの紅茶を飲むのはこのうえない至福の時間でもあるのです。
若い人ほどよく飲む、紅茶の豆知識
普段何気なく飲んでいる方も多いのではないでしょうか。紅茶を飲む方はコーヒーを飲む方より少なめという印象はありますが、実際はどうなんでしょう。紅茶を飲む割合を年代別に見ますと、60代以上の場合は、85%がコーヒー派で14%が紅茶派です。30代以下の場合では、65%がコーヒー派で32%が紅茶派であり、若い方ほど紅茶を好んで飲むことが分かります。
紅茶は、17世紀にポルトガル、イギリス、オランダなどのヨーロッパの国々がアジアから香辛料などと共に持ち帰ったことで、広く知られるようになりました。紅茶には、カテキン、ビタミン、テラフラビン、紅茶フラボノイドなどが豊富に含まれています。
紅茶の種類として、1つの生産地で収穫された茶葉だけを使用したストレートや、様々な産地の茶葉を混ぜ合わせたブレンドなどが知られています。ストレートには例えば、北インド産のアッサムやセイロン南東部産のウバなどがあります。アッサムはタンニンが多く濃い紅色をしており、飲んでみると濃厚な味わいが広がり、芳醇な香りがたまりません。ウバは明るい紅色をしており、飲んでみると芳醇で甘い香りがたまりません。